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ライブのセットリストとかレポートとか
2007年08月08日
音楽と人 2007年9月号 山中さわおインタビュー
ツアー中ですがもう前半は終わり?
「うーん、3分の1かな。半分はまだいってない」
これからすこしライヴハウスでやって、夏フェス出て…。
「5分の2かな?」
細かいな。
「うん、細かい(笑)。いい感じで廻ってるよ。幅の広い、新しいリスナーが来てる感じがする。なんて言うんだろ…新しい出会いの向こう側にある出会いが、響いて返ってきたって感覚かな」
わかりやすいとこで言うと、Mr.Childrenとのツアーとか。
「うん。でも、Mr,Childrenのファンが知って、直結した、ってことではなくて。もちろんそれもあるんだろうけど、誰もが注目する大きい出来事だった、ってことかな。プレデターズの時もそう感じたんだけど、何かひとつ面白いことが起きると、それが想像と違う角度に反射して、そのとき僕らが魅力的な音を出していれば、いい出会いが起こるんだな、と思った」
なるほどね
「細かいことはわからないよ。でもライブに来てる人のファッションや空気から、そういう想像をする。ただ、その振れ幅が大きすぎるから!」
ははははは、確かに。
「年齢も人間のジャンルも相当の幅がある。かなりポップサイドの人間から、かなりパンク寄りの人間まで。ただやりやすい状況かっていうと、楽ではないね」
この曲をやったらこうだろう、ってリアクションが違うし。
「そう。なんとなく想像がついてたものが、ここ何年かはずっと、新しい出会いが多くて。僕らへの知識がそんなにないまま、ライヴに来る人もいっぱいいるので。このヴォーカル思ったより感じ悪いんだな、とかさ(笑)」
ははははは。
「戸惑ってるのもわかる。もっと若いときの自分だったら、その戸惑いにこっちが影響を受けて、そのままの気持ちでステージを終わらせてたかもしれないけど」
今は全然違う?
「今はちゃんと取り戻せるね。まあ、僕は何にでも不満とか文句を見つけることが出来るから(笑)。今は何にでも不満言えるけど、逆に言うと、何でも楽しめる気持ちもあって。勝手に楽しんでる。みんなをちゃんと <今日良かったな。また次も絶対来よう> って気持ちにさせたい。そこに向かう方法が、すごく音楽的になってるかな」
じゃあどう見せるとか、ショウ的要素は二の次、と。
「もちろんそれもあるけど、もっと感情的になりたかったんだよね。そのためにどうすればいいか、ってこと。今でもそういう部分もあるけど、ほんとに泣きそうになったり、何もかも忘れて真っ白になったり、体バラバラになりそうなくらい暴れたくなる、そんな瞬間がもっと欲しい。そういうライヴのステージでしか味わえないもの、ロックンロールでしか味わえないものをすごく求めていて……一時期、簡単にそこにいけなくなって、冷静な自分にすごいショックを受けたんだ。それが今は、ちょっと違う方に来てる」
それが、音楽的な、ってこと?
「うん。悩んだそこも通り抜けて、何でも楽しもうっていうテンションになって。今はね、4人の、バンドの、いい音でいい演奏でいい歌を唄うってことが、まわりまわって感情的にさせてくれるというか。だからこのツアーでは楽器の音とか、一から考え直したね、全員で」
具体的には何をやったの?
「これがピロウズの音でありマイサウンドなんだ、みたいな形がみんなどうしても出来てくるじゃない?それを1回忘れようぜ、って。自分だけじゃなくて真鍋くんも淳も、相当音を変えたかな」
勢いと轟音でガツン!というバンド・サウンドから離れたかった?
「90年代のギターバンドみたいな部分を、1回捨てたかったのかな。ちょっとつまんないなっていうか、もっと音楽的にしたかった。バンドで出す、得体の知れない迫力みたいなものがたまらなく好きだったけど、今はそれに飽きていて。もっとギターのコードもはっきりと見える、ロックンロールな気分なんだ、今さら」
でもアルバムは前からそっちにシフトしつつあったのに。
「そうそう。だからライヴが追いついてなかったんだ。感情的に、何もかも真っ白になってエフェクター踏んで爆音鳴らして、両手離したらギターがキーンとハウリングとか、そういうとこにオルタナを求めてたけど、『MY FOOT』や『GOOD DREAMS』ぐらいから、そういうラウドなものじゃなくて、ピロウズならではのちょっとトリッキーなサウンドに寄ったオルタナのほうが、今は斬新なんじゃないか、ってシフトチェンジしてたからね」
そっちはプレデターズでも出来るし、ライヴは昔からの曲もあるし。
「うん。ライヴでは <ハイブリッド レインボウ> みたいなラウドな曲もやるじゃない?そのセッティングに今の新しい曲を合わせてたんだけど、今は逆に『Wake up! Wake up! Wake up!』を作った気分に <ハイブリッド〜> を合わせようとしてる」
なるほどね。
「淳と真鍋くんに、うん、と言わせるのに時間かかったかもしれない」
プレイヤーだからね。音へのこだわりは捨てにくいでしょ。
「でもそれを1回捨ててこそピロウズじゃねぇの?って思うよ。俺たちそういうバンドじゃないだろ?って。そういうこだわりないとこが、腰が軽いとこがいいと思うんだよ、エルレとかテナーとか髭にも、簡単に影響受けちゃうようなさ」
逆にね。
「うん。そろそろ20年目が見えたバンドが、これが俺たちの音だから、って言うのやめようよって。音楽には責任持つけど、発言には責任なんか持ちたくないしさ。ミュージシャンだからそのときの気分で、なんとなくカッコいいと思ってること口走っちゃうしさ。だからもう、過去の発言と真逆のことやってようが別にいいじゃん」
うん。
「また気分変わったんだからさ、気分変わったことを素直にやろうよ、って思う。単純に今、そのおかげか、ステージ上の音がすごい唄いやすくなってね。唄うのに迷いがないと、それだけでちょっと感情的にはなれるよ。余裕があるっていうか、歌に没頭できる」
それは前からやりたかったの?
「葛藤だったかな、それは。前から実験的なことは何回もチャレンジしてんだけど、やっぱり音量下げると興奮しないから。今はそういう興奮が欲しいんじゃない。もっと音楽的なところで興奮したいんだ。ちゃんとした歌で、ちゃんとした演奏で……だって知れてんだよ? ピロウズは。大してリハもしないし」
わはははは。
「だってその日にやる曲をフルで2回通しでリハーサルやったり、俺らには出来ないもん。リハの間に感情的になっちゃって、本番はこなしちゃうかも、って気になるから」
逆に言うと、感情的な部分をライブでバーンと出したいんでしょ?
「そうだね。だからそのちょうどいいところを探りたいね。長いことやってると難しいんだけどさ。要するに自分なんだよ。始まりはさ、お客さんがいるってだけで興奮するし、それが拳挙げてるだけで感動するし。ひとり泣きそうなヤツが目に入っただけでこっちも泣きそうになるじゃん。でも、それも100回も200回も繰り返したら、もちろん1回目と同じってわけにはいかないよ。もう童貞じゃねぇんだ、こっちは(笑)」
そこが長く続けていくことの難しさというか。興奮を保つための何かがとても大事になってくるんだと思うんですよね。だからサウンドを変えようとして。
「うん。今年は」
そこに新鮮さを求めるわけでしょ?
「そう。あとお客さんも新鮮だからね。なんか前半は固くて、お互い初対面っぽいんだ。前はワンマンっていうとさ、彼女とデート、くらいの感じなのに、今は合コンに参加してるような」
あはははは!
「で、最終的にはお持ち帰りだぞ、みたいな……したことないけど(笑)」
くくく、新鮮だというのがよくわかる。そういう興奮的なものが最終的にはモチベーションになるし。
「うん。で、そこにはほんと自分たちだけの、リスナーを仲間に入れてあげない部分があると思う。4人で楽しめる部分。今はそれでいいと思ってる。そこをちょっと楽しめてる時期かな。あとステージ以外も調子よくてね。ここ2週間のツアーの間に、5曲くらい新曲書いたよ。歌詞も3曲のって。さらにプレデターズ用に、JIROくんの曲に歌詞1曲書いて」
プレデターズも作ってるんだ。
「もう4曲くらいリズムは録ってあって、あとは僕がギターと歌を入れれば完成、っていう感じ。それを来年までにやっていこうと思ってるんだけど」
いい調子ですが、残念なことに <ap bank> は中止になってしまい……。
「ねぇ? 残念だったなぁ。去年、Mr.Childrenが演奏する <ストレンジ カメレオン> を聴いてる3万人の観衆を横目で観てきたので、今年はオリジナルの <カメレオン> をやりたかったな。でも <ap bank> に関しては、なんか変な感覚で……ピロウズのことより、ミスチル残念だろうな、って思ったかな。まぁ3日目が出来たから、気持ちのオチはついたと思うけど。4日も会場にこもって、何もやらないまま東京に帰るなんて、想像したらとんでもなく淋しいよ。すぐJENから電話がかかってきたけど、もう…お互いなんて言っていいか困るんだよね。向こうも <ごめんね…っていうのも何か違うね> って。台風はお前のせいかよ(笑)」
残念だね、としか言いようがないというか。
「俺らはまだ夏フェスにいっぱい出るから、気持ちの持っていきようがあるけど」
で、最後にシングルの話なんだけど。
「最後かよ(笑)」
だってこの曲、アルバムの時にもう録ってあった曲でしょ?
「そう。だからあまり話すこともないんだけどさ(笑)。いい曲でしょ」
うん。夏、にぴったりな曲って、今までのピロウズにはなかった(笑)。
「はははは、確かに。これは去年、6月のアメリカ・ツアー中に、ロスで出来たんだよ。そのせいなのか、青空というか、夏っぽい感じが自分の中にあるのかもしれない」
季節感、ないバンドだもんな。
「ないね(笑)。ロスで、ちょうどオフだったんだ。フラッと散歩してたら道に迷って、すごい歩いたんだよ。ホテルとまったく逆に向かってて。もう汗だくでビール呑んで、くたくたになって帰ってきたんだけど、その時ちょうど、カリフォルニアっぽい音楽聴きたいなと思って、iPodでウィーザーとかスマッシュ・マウスをずーっと聴いてて」
西海岸らしいな。カラッとして。
「曲とロスの街並みがリンクして。海外にいるっていうハイな気持ちも少しあったし。それを染みこませて、部屋で作ったんだ。最初もっとエルレみたいなさ、ダウンピッキングでブンブンいく、すごくUSっぽい感じだ!って思ってたんだけど、結局ピロウズでやると……リスナーとしてそういうの好きなくせに、 なんかしっくりこなくて。ウィーザーっていうより、後期ルースターズになった(笑)」
あははは。やっぱそうなりきれないというか、しっくりこないんでしょ。
「うん。自分のバンドっぽくないんだよ(笑)。何かを借りてる感じがしちゃう。ちょっとダラッとしたエイトビートのほうが好きなんだろうね。だから俺、いつもUSオルタナが好きだって言ってるけど、聴いた人からは<あ、ブリティッシュ好きなんですねぇ>っていつも言われる(笑)」
それはもうイギリス云々っていうより、もう自分に染みこんだ性分だね。
「そうなんだよ(笑)。まあそこで自分を納得させる心地いい言葉としては、ブリティッシュとかUSとかじゃなくて、やっぱ<ピロウズっぽい>ってものが存在するんだなって」
ピロウズっぽいものなんかなくていいって言ってるくせに(笑)。
「そう言ってるけど…ま、あるんだろうな。変わりようのないものが(笑)」
2007年08月08日 22:36
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