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ライブのセットリストとかレポートとか

1994年06月20日

ROCK'IN ON JAPAN 1994年7月号 DISC&VIDEO REVIEW

ROCK'IN ON JAPAN JULY 1994 VOL.86 DISC&VIDEO REVIEW p213
「KOOL SPICE」

■夢見るほどに黄昏て……

 ピロウズのライヴへ行くと、きっれーに3つの路線にファン層が分かれている。まず一つはバンド・ブーム以降の原宿ホコ天族。これはピロウズのルックスとタテノリのビート感に引き寄せられている人達。そしてモッズ的ブリティッシュ・ファッションとキャンディ・ポップ・メロディーに魅かれる、通称コレクターズ族。最後に紹介するは、山中さわおの詩人としての文学性にムフフのポエトリー族。まあ言ってみれば、ジュンスカとコレクターズとスピッツ、その異なる個性を全て備えた「高島屋11Fお好み食堂バンド」であったわけだ。

 だがやはりそこは所詮お好み食堂なわけで、「取っ替えの効かない職人振り」を堪能するにはイマイチ、各所のダシが浅かった。だがしかし! 遂に山中さわおは一転突破の妙技をこのアルバムにて見つけた。それは「歌詩」である。「あなたと2人で公園を歩いてた/ふざけて陰に隠れるからいなくなるような気がしたのさ/涙見せたらわざとだと言うだろうね/きっとそうさ/夜のくじらよ今日はここだけ呑み込まないでね」“公園”

 ここ迄コミュニケイションの裏技を理解しながら、キミを求めキミに頼るボク。そして挙句の果てに自らの所業を天にお祈りしちゃうボク。なんてチマチマした情けない奴なんだろうと思う。今迄もその情けなさをストレートに開き直って日記の如く書いている人は多々いたがここ迄ポエトリカルに絵本の世界に封じ込めたのはさわおが初めてだ。夢見る虚弱な青年・さわおの本領発揮さく。 (鹿野淳)

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